山下祥(しょう)は、昔から「気の置けない相棒」だった。
強気で、歯に衣着せぬ物言い。
だからこそ特別視なんてしてこなかったはずなのに――
最近は些細な瞬間が胸を締めつける。
汗に濡れた髪が頬に貼りつく。
窓際で無邪気に笑う横顔。
気づきたくなかった“女としての祥”が、否応なく目に入ってくる。
「今さら意識するなんて、格好がつかない」
そう自分に言い訳し続けた主人公。
しかしある日。
祥が別の男子に告白されたと知った瞬間、
胸の奥で何かが崩れた。
友情の境界を越える怖さと、それでも手放せない想い。
「タダで帰れると思うな」
──冗談めかして放ったその言葉が、二人の関係を一瞬で変えていく。



























